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生涯にわたる診断横断的(transdiagnostic)なリスク因子としてのトラウマ

トラウマの広範囲にわたる影響を理解する事が、今までになく必要に迫られています。COVID19のパンデミックに関連したトラウマ体験から、憎悪、人種差別、歴史的迫害によって経験されたトラウマに対するグローバルな社会的審判まで、私たちはトラウマがどのように精神、肉体、そして社会精神に深く埋め込まれていくか、それを内省し、科学的探究をするよう求められる時代に生きています。PTSDは、しばしば典型的なトラウマに関連した精神疾患とみなされていますが、トラウマは心身の健康状態に生涯にわたって広範囲な影響を及ぼす事が分かっています。それゆえトラウマは、ある特定の診断の垣根を越えて起こりうる多様な心理的、生理的な健康状態への診断横断的なリスク因子として概念化されるべきです。トラウマ後に起こる心身の多疾患併存症を理解するための革新的な研究や臨床方法論が、トラウマ研究や治療実践の分野を先へと推し進めるのに必要です。
 
ISTSSの第38回年次総会ではトラウマ曝露がライフコースの中で与える広範囲な健康への影響について取り組んでいきます。今年度の総会ではトラウマ的ストレスによって現れうる、集団を超え、また人生をまたいで生じる非常に多くの心身の健康の状態像を浮彫にしていきます。この目標に向けて、私たちは伝統的診断カテゴリーを超えた演題発表を追求し、トラウマ関連精神疾患の病理を理解するため、多面的かつ多層的な解析アプローチを採用します。それに加えて、私たちはトラウマという文脈における多疾患併存症を取り上げる研究にも関心を持っています。トラウマ後の精神科併存疾患についての発表や、またトラウマイベント後の心身相互作用について言及した発表も歓迎します。介入研究に関しては、革新的な診断横断的な治療アプローチやトラウマの余波で起きる併存症を扱うようデザインされた治療についても今総会テーマのもと取り上げていきます。今総会の目標は、私たちが研究対象をPTSDに限らず広くとらえることで見えてくるものを紹介していく事と、トラウマ経験をした個人の生活改善の、より総括的なアプローチに、これらのプロセスや成果が如何に有益であるかを示す事です。
 
学習目標:
  • トラウマ曝露後の精神病理症状を理解するため、診断横断的フレームワークをどのように用いられるかを説明する。
  • トラウマ的ストレス体験がライフコース全体で心身の健康に悪影響を及ぼす事になる、その方法について特定します。
  • トラウマが健康に対して幅広い結果を生み出す事を扱うトラウマ焦点化した介入研究における進歩について話し合う。
以下に関連したトピックに関した演題(ただし以下に限定はしません)を歓迎します。
 
・トラウマ後の精神病理研究に対する多面的アプローチに関しての研究
・トラウマ後の心理的併存疾患(PTSDや物質使用障害など)に焦点をあてた研究
・トラウマ後に発症する可能性のある精神的および肉体的な多疾患併存症に関する研究
・トラウマ曝露の心身の健康への影響の背景にあるメカニズムを扱うための多層的な解析(生物学的、心理的、対人関係など)を統合した研究
・トラウマが感情面の健康に対してどのように影響するか、および/または、それがどのように『皮膚の下に』埋め込まれ身体の健康に影響を与えていくか、それらを扱うライフコースの視点を取り入れた研究
・トラウマの及ぼす無数の帰結を扱う革新的な治療に関しての研究(診断横断的な治療アプローチ、トラウマの心身の健康への影響を扱う介入研究など)